中国が国際特許出願件数で3位に
2位のわが国を急速に追い上げ
3月中旬、国連の専門機関の一つである世界知的所有権機関(WIPO=World Intellectual Property Organization)は、2014年の国際特許出願件数を発表した。
それによると、中国の大手通信機器メーカーであるファーウェイ(華為技術:Huawei Technologies)が、3422件の出願でランキングトップの座を獲得した。2位には2409件の米国クアルコム(QUALCOMM)が入り、3位は中国のZTEだった。ランキングのトップスリーを、中国・米国の大手通信機器メーカーが占める結果となった。
一方、2013年に首位であった、わが国のパナソニックは1682件で4位に落ちた。三菱電機が1593件で5位となった。また、国別の出願件数を見ると、トップは米国、2位はわが国になったものの、3位には中国が入り急ピッチで追い上げる構図が鮮明になった。
特許出願件数は、企業が持っている技術力を表す一つの目安と言われてきた。そのため、わが国をはじめ多くの企業が、積極的に出願件数を増やす政策を取ってきた。企業とすれば、それによって高い技術力を誇示することができた。
今回の出願件数を見ると、いくつかの現象が鮮明化していることが分かる。一つは、中国企業の技術力の台頭が明確になっていることだ。また、欧州諸国の件数が大幅に増加している。そうした状況下、わが国企業の出願件数が前年対比マイナス3%であったことが気になる。