三船美佳さん・高橋ジョージさん夫妻、米倉涼子さん夫妻、栗田貫一さん夫妻をはじめ、芸能人の「モラハラ」が話題となっている。世の多忙なビジネスマンの多くは、「我が家とは無縁の話」と考えるかもしれない。しかし夫が加害者となるモラハラ行為は、往々にして無意識に行われ、継続されることで妻を精神的に追い詰めていく。あなたの何気ない一言や態度が家庭崩壊へつながる可能性も、ゼロではないのだ。身近な日常生活に潜むモラハラとは、どんな行為なのか。そしてモラハラをしないための心得とは? 聞き取り調査を交えながら、検証しよう。(取材・文/プレスラボ・多田慎介)

束縛、人格否定、罵声――。
相次ぐ大物芸能人のモラハラ騒動

世の夫たちが気づかずに行っている「モラハラ」。モラハラは妻の心を蝕み、夫婦関係の崩壊へとつながるリスクがある Photo:Tom Wang-Fotolia.com

 モラハラって俺、確定してるの?――。

 3月半ば、離婚騒動の渦中にある高橋ジョージさんは、取り囲む報道陣に対してそう問いかけた。「三船美佳さんに対する高橋さんのモラハラ行為が離婚裁判の提訴理由」と報じられたことに対するものだった。

 2人が電撃入籍で世間を驚かせたのは、三船さんが16歳の誕生日を迎えた1998年(平成10年)の9月。当時40歳の高橋さんとは24歳年が離れており、「年の差夫婦」として話題をさらった。以来2人はテレビ番組でしばしば共演し、報道陣を前に仲睦まじい姿を見せ、「芸能界きってのおしどり夫婦」として知られるようになった。

 実際の夫婦生活において、高橋さんは24歳年下の妻に対し、仕事以外での外出を禁じる「外出禁止令」を出したり、「お前が生きているのは俺のお陰」といった人格否定とも取れる発言をしていたという。三船さんが離婚を希望するのは、こうしたモラハラ行為が理由だと報道された。高橋さん自身はそうした行為や発言について否定しており、冒頭の報道陣への問いかけはその文脈で発されたものだ。

 2人の間に起きたことの真相は、今後裁判を通じて明らかにされていくのを待つしかないだろう。一連の泥沼報道は、日常的な夫のモラハラ行為があった場合、それが離婚問題に発展する可能性があることを、広く世の中に知らしめる事例となった。