誰しも恥はかきたくないものです。ただ、当方が若かりし頃、「大いに恥をかきなさい」と教えてくれた上司がいました。恥をかくことで、次の失敗を防ぐことができると考えての言葉だったのでしょう。
ところが、仕事で経験を積んでいくと自然にプライドが生まれてきます。当然ながら恥をかくことが恥ずかしくて、避けたい気持ちが大きくなっていきます。ただ、そんなプライドがある立場になって恥をかかされたら、どのように受け止めるべきでしょうか?また、部下や後輩に恥をかかせてしまったら、どうフォローすればいいでしょうか。
今回は、恥をかかされた若手社員を例に、社会人が「恥をかくこと」についてみなさんと考えてみたいと思います。
入社10年目なのに毎週会議報告で
「忘れました」「忙しい」を繰り返す社員
「恥をかきたくない人が恥をかく」というのは、ブッダ(釈迦)の教えです。人は恥をかきながら成長するもの。恥を怖れると、何もできなくなってしまう。人生では「恥」をかくのが日常茶飯事であるということなのでしょう。
ちなみに「恥」とは、自分の欠点・失敗などを恥ずかしく思うこと。あるいは名誉や面目が損なわれる事。当方であれば、若手営業時代に研修で学んだことを忘れてしまい、先輩社員に教えを乞うた時に、
「研修で勉強したこと忘れてしまったの?仕方ないな、教えてあげるよ」
と、上から目線で冷たく教えてもらったときがそうでした。ただ、恥を恐れて仕事を続けていたら、大きなミスを引き起こしたかもしれません。恥をかくことを恐れることは、ときに避けなければならないのです。そうは言っても、恥をかかされたときに素直に受け止める度量を持つのは、想像以上に難しいもの。みなさんは、素直に受け止める心構えができていますか?取材したある会社では、部下に恥をかかせた支店長が痛い目をみたようです。
住宅建材会社の営業会議での話です。その会議に参加していたのは5名。支店長のOさんに加え、
Fさん:入社15年目(主任職)
Sさん:入社10年目
Kさん:入社5年目
Bさん:入社2年目
の4名の営業社員が営業部に所属しています。いつものように支店長が業務連絡をしたあと、各自の活動報告の時間となりました。このパートでは先週の訪問先とトピックスに加えて、先週支店長から言われたTO DO(翌週までにやっておくこと)の進捗を各自が発表する流れになっています。