運用における「こだわり」と「ヤバい!」
投資家がカモになる「こだわり」とは?
先日、行きつけの珈琲屋で馴染みの店員が珈琲を抽出しながらつぶやいた。「最近の『こだわり』という言葉の使い方には違和感がありますね。かつて、この言葉は、余計なものに過剰に固執するネガティブなニュアンスだったのに、最近は『こだわりの珈琲』みたいに良い意味で使うことが多いでしょう。あれは、どうにも馴染めません」。
たぶん、商品やサービスの宣伝に、意外性を持った強い言葉として「こだわり」を使い始めて、それが広く受け入れられたために、最近では「こだわり」がむしろポジティブな意味に使われるようになったのだろう。
同様に意味がひっくり返った言葉として近年数多く耳に入ってくるのは「ヤバい!」である。元々の「不都合でまずい」というネガティブな意味にも使われるが、「自分が感動するほど凄い」というポジティブな意味にも使われている。程度が甚だしいこと全般に使われているわけだが、ある種の若者と話していると、良いと思う事にも、悪いと思う事にも、「ヤバい!」とだけ言うので、文脈と表情を読み取る高度な解釈能力が必要だ。
さて、近年、良し悪しは別として、ポジティブ・ネガティブの両方の意味で使われる「こだわり」と「ヤバい!」だが、お金の運用における個人の判断と行動にあって、実は、良いと勘違いしていてもダメで「ヤバい!」くらい危険な「こだわり」がある一方で、あまり気づかれていないながら「ヤバい!」くらいに有効な「こだわり」がある。
以下の、7つのお金の運用に関する「こだわり」に、読者はどう思われるか?
(1)投資家の「タイプ」に合った商品へのこだわり
(2)運用目的や人生の夢に対するこだわり
(3)配当や分配金などのインカム収入に対するこだわり
(4)運用者の腕に対するこだわり
(5)運用商品の手数料に対するこだわり
(6)自分の買値に対するこだわり
(7)接客に対するこだわり