投資にはリスクが付き物だが、中には"リスクしかないもの"もある。詐欺だ。オレオレ詐欺が代表格だが、近年は「プロ向けファンド」をかたった特殊詐欺も横行。ダイヤモンドQ編集部で、その予防策を探った。
2年ほど前から、詐欺の被害額が急増している。有名なのは「オレオレ詐欺」だが、現在、最も問題となっているのは、「値上がりは確実」などとうたって未公開株などを売りつける金融商品絡みの詐欺。
オレオレ詐欺、未公開株詐欺、社債詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺などは、警察用語で「特殊詐欺」と総称される。その被害額は、2014年上半期(1~6月)で268億2950万円(警察庁調べ)。年間で過去最悪の被害を記録した13年の上半期より56億円も増加している。
内訳を見ると、最も被害額が大きかったのが「オレオレ詐欺」の80億円。次点は金融商品絡みの「金融商品取引名目詐欺」の73億円。
こうした金融商品絡みの詐欺は巧妙だ。未上場会社の株式を「間もなく公開するのでぼろもうけできる」などと言葉巧みに売りつけるものだ。
「オレオレ詐欺は捕まったら言い逃れできないが、未株(未公開株)、社債詐欺では証書も渡すし、発行企業も存在するから、『だますつもりはなかった』と言い張れば詐欺で立件されにくい。捕まっても、金融商品取引法違反なら300万円の罰金を支払うだけで、釈放される」
12年まで詐欺グループに属していた人物が話すように、彼らは逮捕リスクを念頭に詐欺をしている。そのため、よりだましやすく、逮捕されにくい詐欺を次々と生み出している。