「1面トップから順に読む」が重要

 それに関連して、もう一つ注意点があります。それは、新聞を読むときは1面のトップ記事から順に読んでいくということです。たまに新聞を後ろから読んでいる人を見かけますが、あまりおすすめできません。新聞記事は社会の関心の重要度の高い順に1面から書いてあるからです。朝の集中力の高いうちに、重要度の高い順に頭に入れていくのが効率的な読み方なのです。

 また、後ろから読むと途中で時間切れになってしまって、重要度の高い最初の面が読み切れなくなってしまう恐れもあります。そういう意味でも、1面から読むようにしてください。

 そもそも、人間は関心のないものは目に入りません。以前、私が『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)の冒頭で書いた話ですが、セブン‐イレブンのロゴが「7-ELEVEn」というように最後の「n」だけ小文字であることをご存じでしょうか。

 セブン‐イレブンに行ったことのない人はほとんどいないはずですから、皆さんはこのロゴを何度も見たことがあると思います。しかし、ロゴの最後の「n」が小文字であることに気づいている人は、かなり少ないのではないでしょうか。

 関心の無いものは見えないのです。元々は関心の薄い記事でも、それらを毎日読んでいるうちに、関心が芽生え、関心の幅が広がるのです。そうすれば「関心のフック」ができて、さらにどんどん情報がそのフックにひっかかるようになり、自分の頭の中のデータベースが拡充していくのです。これは、別に新聞記事に限ったことではありません。

 さらには、「メモする」ということも大切です。皆さんは、1週間前に食べた夕飯の献立を覚えていますか? それと同様に、以前の新聞記事を覚えているのは難しいことです。それを補助するのがメモです。毎日、新聞を読んで気づいたことや関心を持ったことを、短い言葉だけでもいいので、手帳にでもメモしてください。私の場合は数字が多いです。それを、仕事の空き時間などに、ときどき見返します。そうすると、自身の脳のデータベースが活性化するのです。

 当社では、後継者を集めたセミナーやコンサルタント養成講座を通年でやっていますが、彼らには、毎日必ず気になった記事をメモしてもらい、セミナーで集まったときに各人から発表してもらっています。また、経営者を集めた定期的なセミナーも行っていますが、この原稿で説明したことをやることをすすめています。

 いずれにしても、方向づけに限らず、能力を向上させるには「正しい努力の積み重ね」が必要なのです。

 次回は、方向づけの事例をお話する予定です。