自然の影響をもろに受ける農業では、うまくいかないことを天候のせいにしがちだ。しかし、成功している農業者は、天候をうまくいかない言い訳にしないという。人間の力ではどうにもならない自然の力に対して、どのように対応しているのだろうか。
事前にリスクを考えて
準備をしておくことが大事
成功している農業者は、天候をうまくいかない理由にしません。しかし、うまくいってない人は往々にして「天候が悪かったから……」と言い訳することが多く、それ以上の問題解決をしないのです。
同じ地域で同じ機械を使用し、同じ野菜を栽培していても、ある人は天候が悪いなりによい野菜を出荷しますが、別の人は天候が悪いと出荷もできなくなることが多々あります。それは、後者が天候を真の理由だと思い込んでいるからです。
平成26年はさまざまな天候被害がありました。温暖化の影響なのかその原因はわかりませんが、天気予報やニュースで「数十年に一度」「観測史上初」などという言葉が頻繁に流れるのを見ると、確かに天候はおかしくなってきたと考えられます。
私たち農家は、太陽の光、水、大地と空気を利用して作物を育てていますので、天候の影響はそのまま作物に伝わります。
そういった中で、作物がよくできない理由を「天候が悪かったから」「長雨の影響で」「大雪が降ったから」「干ばつだから」「突風が吹いて」などと言います。もちろん、そのことは間違いではありませんし、そのときの状況をお客様に早く理解してもらうためには、そう説明する必要はあります。
しかし、農業者が継続的に生産をしていく上で、その言葉を真の原因にしてしまっては、よりよいものにするためのアイデアは出てきません。改善策も生まれません。なんの改善や改良もしないで同じ状況が続けば、いずれ経営として成り立たなくなっていくでしょう。