いくらから株価は高いと思うのか
高くてもETFを買い続けるのか?

 さて、日経平均はいったん2万円をつけて現在1万9000円台で推移している。あるべき株価は前提条件の少しの違いで大きく変わるものではあるが、「リスクプレミアムに縮小の余地がある(=株価は割安である)」と黒田総裁が述べた13年4月時点の日経平均で、1万2000円台の水準を割安と判断したことに違和感はない(発言には驚いたが)。

 現在の企業収益(日経予想)に対して日経平均2万円でのPERは約18倍だ。米国などで経験的に高値圏とされる20倍にはまだ届いていないので、「割高」と断じるほどの水準ではないが、日銀が国債を大量に買い入れていることで低下している長期金利が、将来自然な水準に戻ることを想定すると、必ずしも安いとは言えない。

 そろそろ株価に対する日銀の考え方を説明すべき時期ではないか。株価は、「まだ買ってもいいほど安い」のか、あるいは「もう高いので日銀は将来損をするかもしれないが、それでも買う」のか、株価水準に対して日銀がどう考えているのかは、日銀自身の説明を要する重要な問題だ。

 仮に、株価が高くて、日銀が将来損をする可能性があるとしても、現在株式を買うことが正しいと日銀が考えている可能性もあるが、その場合でも、損が出る前に考え方を整理しておく必要があるだろう。

 株価水準に対する言及は、市場参加者の利害が絡むし、日銀といえども将来の株価予測を正確にできる訳ではないから、コメントしたくない気持ちも分からなくはない。しかし、国民にとっても、日銀自身にとっても重要な問題なのだから堂々と議論する方がいい。

 その場合株価について、「はっきり分かる事」と「よく分からない事」をわけて、さらに「よく分からなくても決めなければならない事」について、率直に説明し、広く議論に応じるべきだろう。「よく分からない事」については、はっきりと「分かりません」と答えるのでも構わない。

 証券界や株式投資家など、日銀が日頃議論を交わす相手とは趣の異なる相手から、質問や批判・反論などが殺到するかもしれないが、日銀にとっても国民にとっても、いい議論になるのではないだろうか。

「株価にはコメントしないでおこう」という従来の腰抜け日銀に戻って、だんまりを決め込むべきではない。