4月30日、日経平均株価は今年最大となる539円の下落に見舞われた。連休明けの5月7日も下落、2万円突破に湧いていた市場は冷や水を浴びせられた。この先どうなるのか、気を揉んでいる投資家も多いことだろう。そこで、主要なシンクタンク、証券会社に、株価の見通しについてアンケートを実施。15社から回答を得た。専門家たちは果たして先行きをどう見ているのか。
なお、アンケートは4月下旬に行ったが、4月30日以降の動きを受け、5月9日時点で見通しに変更があった場合はそれを反映している。また、各見通しやコメントは、特に表記のない限り、エコノミスト、ストラテジスト、アナリスト等個人のものである。各者のコメントは3ページ目以降に掲載しているので参照されたい。(まとめ/ダイヤモンド・オンライン 河野拓郎)
強まるリスクへの不安と割高感
6月までは2万円を切る可能性が高い
まずは6月までの見通しを見てみよう(表1参照)。
6月末時点の日経平均見通しで最も弱気な予想は、1万8000円。井出真吾・ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジストと、丸山俊・BNPパリバ証券日本株チーフストラテジストによるものである。「為替、原油価格、米国や中国経済の先行き不透明さが増す中、現時点で2万円は時期尚早」というのが井出氏の見解だ。同様に丸山氏も、「日本経済・日本企業の変化に対する期待が先行し過ぎ」とし、その期待が剥げ落ちると見ている。
逆に最も強気な予想は、藤本誠之・SBI証券シニアマーケットアナリストの2万1000~2万2000円。「3月決算の決算発表終了で、機関投資家が動きやすくなることが最大の要因」(藤本氏)。ただし同氏は「出遅れた個人投資家の高値づかみも」あると警告している。菊地正俊・みずほ証券チーフ株式ストラテジストも、「内需回復、コーポレートガバナンス改革、2015年度の2割増益」を理由に2万1000円の株高を予想する。
もっとも、2万1000円以上と見るのは藤本氏と菊池氏2名のみだった。半数が2万円未満を予測しており、回答の平均値は1万9533円である(レンジで示されている場合は中間値で計算)。
日本、米国、欧州とも株価の割高感が強まってきている。また後述するように、これから年央にかけてはリスク要因が目立つ。企業業績の改善を好材料として挙げる向きは複数あるのだが、発表される会社予想は、経済環境の不透明感から慎重姿勢になるとの見方が多い。
各専門家の見方からすれば、この先2ヵ月は2万円を切る可能性が高く、“良くても2万円ちょっと”ということになりそうだ。
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