CV22は横田にいて、それに乗る特殊部隊は約1500kmも離れた沖縄にいるのでは訓練に不便だし、緊急の出動に差し支える。特殊部隊員が闇の中で着陸と同時に機外に迅速に展開したり、撤収の際に順序良く乗り込むとか、ロープによる降下、回収や補給品の投下などの訓練を横田で行えば、今回ハワイで起きたような事故も起きがちだ。ヘリなどの回転翼機は着陸時に無風状態だと、自分が起こした下向きの激しい気流に入り込み、急に揚力を失い墜落することがある。

 ただ横田は周囲が夜も明るすぎて、夜間訓練に適さないから、それをするなら陸上自衛隊と米海兵隊が共同使用している富士演習場で行うことになるのだろう。オスプレイは離着陸時、回転翼を上に向けるから高温のジェット噴気が下に吹き付け、米国では演習場の草木が燃えたこともあった。富士演習場では現在飛行は夜10時までとし、一定のルートを飛行して進入するなど、地元との協定があるが、夜行性の特殊部隊が来るとなれば制限の緩和を求めてくる可能性がある。

違法な軍事活動に協力したと
日本が非難される懸念も

 特殊部隊は潜入を本領とする、比較的少人数で、猛訓練を受け、日本の戦国時代の「忍者」に似た部隊だ。敵地深くに入って偵察、破壊活動、暗殺、拉致、人質救出などを行う一方、各国語の専門家もいて、住民の懐柔工作や反乱軍の支援や訓練なども行う。米軍は特殊作戦を重視し、陸・海・空軍、海兵隊の特殊作戦関連部隊をまとめて指揮する「特殊作戦軍」を1987年に設立、人員は計6万人に達する。その中でも陸軍の「デルタ・フォース」、海軍の「シールズ」が最精鋭とされる。

 特殊部隊はもっぱら秘密活動をするから、身元、国籍を隠すため、ロシア製のヘリや中型輸送機まで持っており、国際法を無視した作戦にも使われがちだ。2011年5月、パキスタンのアボタバードに隠れていたオサマ・ビン・ラディンと他の4人を殺し、負傷した妻を拉致したのは米海軍の「シールズ」で、陸軍の特殊作戦用ヘリ部隊が輸送に当たった。これはパキスタン政府への通告なしで行われ、他国の主権を無視した作戦だった。また今月15日夜には米陸軍の「デルタ・フォース」が米空軍のCV22などでシリア東部に潜入、「イスラム国」幹部のアブ・サヤフらを殺し、その妻を拉致したが、これもシリア政府に無断だった。

 秘密の塊のような忍者部隊が日本に駐留して、秘かに出動、他国に潜入して違法な活動をされては、日本も思わぬことで非難される状況が起こりかねない。CV22の配備よりは、そのほうが問題かもしれない。