日本語の「が」(助詞)と、英語の「but」を混同していないだろうか? うっかり間違って使うと、意味も大きく違ってくる。具体的な対策を「ロジカルイングリッシュ」の視点からお伝えしたい。

butは、逆接の意味があるときに
使うもの

 日本語における助詞の「が」を、すべてbut に置き換える人が意外に多い。日本語の「が」には、but と同じ逆接の意味があるが、前置きや文のつなぎにも使われる。

日本人は「but」を使いすぎ! ではどうすれば?


 下記の英文を見てほしい。

× I completed building a castle with LEGO®. But my son got tired and fell asleep.
(レゴで城を作り終えた。しかし、息子は疲れて寝てしまった)
 I completed building a castle with LEGO®. By then my son got tired and fell asleep.
(レゴで城を作り終えた。それまでに息子は疲れて寝てしまった)

 この例も、「レゴで城を作った」「息子は疲れて寝てしまった」の間には、逆接の関係はなく、butを使うのは適切ではない。つなぎを入れたければ、良い例のようにBy thenを加えることができる。
 さて、次のような場合はどうだろうか。

× My allergy was not bad last year, but I just started suffering from it.
(去年、花粉症はひどくなかったが、すでに苦しみ始めた)
 My allergies weren’t bad last year, but this year they have already started.
(去年、花粉症はひどくなかったが、今年はすでに始まっている)
*アメリカでは花粉症はallergies(複数)が一般的。イギリス英語圏ではhay fever。

 この悪い例は、but を使うのはいいのだが、but 節が前の説にどう逆接になるのか、意味を成さない。but でつなげるためには、「去年は~だったが、今年は~」を説明する必要があるだろう。

× It is ok overall, but I like the bitter taste.
(全体的にはまあまあだけど、苦味があるのは好き)

 上記の悪い例も、前後のつながりが意味をなさない。「まあまあ」の後は否定的な内容が続くはずだ。二つの文の間に逆説の意味はないので、but は使えない。言いたかったのは、下記だろう。「けど」がつくのは、後ろの節だったのである。

 It’s just ok, though I like the bitter taste.
(どうってことない。苦味があるのは好きだけど)

 butを使うときは、逆接の意味があるかどうかをしっかり確認して使おう。