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「フォトショップの父」が語る
定番ブランドを25年間維持できた理由

――アドビ システムズ フェロー トーマス・ノール氏に聞く

ダイヤモンドIT&ビジネス
【第56回】 2015年6月1日
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写真を覆った霧を
晴らしてくれる新機能が登場

 進化を続けるフォトショップは、今後どう進化するのか。そのヒントが、このたび新しく実装される予定の「Dehaze(ディヘイズ)」機能だ。

 これは写真を覆った「霧」を自在に晴らしたり、逆に濃くしたりできる追加機能。デモを見ることができたが、山の中でも都会でも、視界を覆った霧をフォトショップ上の「スライダー」を左右に動かすことで、濃くも薄くもできる。しかも、その処理が非常にスムーズで、白く霞んでいる木々や建物などが、霧を除去することで本来の色で鮮やかに再現される。スライダーの動きに対して、画像は1秒60コマの速度で追従するというから、ほぼリアルタイムで処理結果がわかる。(ディヘイズのデモ動画はこちら)

 たとえば、富士山を撮影した日にたまたま霧が出ていても、少しでも富士山が映り込んでいれば、あとから霧を晴らすことができる。趣味の撮影はもちろん、仕事で写真を撮る場合でも、従来は日程を再調整する必要があった現場の状況でも狙い通りの仕上がりに変えられる可能性が出てきた。画像の加工技術は、仕事の段取りを根本的に変えるパワーを持つまでになった。

 この霧を晴らす機能を実現するためには、非常に緻密な画像の分析と処理が必要で、コンピュータの高速化によってはじめて実現できた。「数年前のパソコンの処理能力では難しかった」という。

 この機能を使えば、霧を晴らすだけでなく、たとえば水族館の水槽の分厚いガラス越しに撮った画像について、ガラスと水の濁りを補正して中の魚を鮮明に映し出すこともできるそうだ。

 ただし、フォトショップがあるからいい加減な写真でもごまかせるということではない。プロのカメラマンには、さらに高いクオリティが求められているのである。ノール氏は最後に「元の写真のクオリティが高くなければ、これらの画像処理技術を最大限に生かすことはできない」と語った。

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