生活費の分担を見直して、積立でお金が貯まる仕組みさえ整えば、残りは使ってもいいお金なので、お互いの口座すべてを情報公開する必要はない。忙しい共働き夫婦は、手抜きをできるところは手抜きをしよう。

 気をつけたいのは、夫婦それぞれの口座のほかに「夫婦の生活費口座」を別途設けているケース。きちんとお金を貯めたいと考えるフルタイムの共働き夫婦がこの方法を取っているのだが、上手く機能していないことが多い。

 生活費は、家賃や住宅ローンのように毎月定額の項目ばかりではなく、公共料金やクレジットカードの引き落とし、食費などのように金額が毎月変動する項目も結構ある。引き落としの際に残高不足を避けるためには、概算で決めた分担額より多めに口座に入金することになる。

 そうすると、口座には徐々に必要以上の「貯まり」が発生するのだが、そのお金は貯蓄に回ることはなく、数ヵ月に一度おろして外食費に充てたりして使ってしまう。家計の決算をしたときに「使途不明金」に分類される性質のお金だ。まじめな夫婦だからこそ「夫婦の口座」を作っているのに、使途不明金というムダを発生させてしまうなんて、もったいない話だ。

 また、「夫婦の生活費口座」で「夫婦の貯蓄」を貯めているケースもよく見かける。それぞれが自分の名義で積立をするのではなく、生活費に加えて貯蓄分も「夫婦の口座」に入金する。「夫婦の口座」で数百万円貯めた通帳を何度か見たことがあるが、この方法はお勧めできない。

 銀行口座の名義は1口座につき1人。夫婦連名で作ることはできないので、「夫婦のお金」なるものは仕組み上ないと考えたほうがいい。たとえば、マイホーム購入の頭金としてそのお金を使うことになると、住宅の持ち分を決めるときに面倒なことになる。

「夫婦の口座」にあるお金から1000万円を頭金に充当したとすると、2人の意識では「半分ずつ出し合った」つもりだろうから、持ち分も半分ずつと考えるのかもしれないが、税務署は、基本的に「口座名義人のお金」と見るのだ。