アベノミクスの影響により、会社の業績はどこも好調だと思われがちですが、当然、例外もあります。Sさんの前職の会社は商品の販売を行う強力な代理店の協力を得ることができなかったため、売上が伸び悩み、結果として事業の撤退が決まってしまいました。これまで長く同じ事業に携わっていたSさんは、途方に暮れることになりました。そんな頃、撤退した事業部の社員に対して、人事部から希望退職を募る説明会の通知が届きました。

 説明会では人事部からの退職パッケージとして、社内の規定に従って支給される退職金に加えて、特別退職金として基本給の半年分を出すとの提示がありました。この説明会を受けて、「残る」か「残らない」の決断を迫られることになりましたが、社内に残って関心のない別部署の仕事をするより、同じ業界で経験を活かしたいとの気持ちもあり、Sさんは退職を決意。説明会の2ヵ月後には退職しました。

 ただ、家族もいますから、悠々自適で暮らせる貯金はありません。働いて稼ぐことは必要。そこで、以前から面識があったヘッドハンターに「転職先を紹介してほしい」と声をかけました。すると、

「Sさんのバイタリティーがあれば、外資系でも輝けるかもしれませんね」

 と言われ、外資系の同業他社を紹介されました。そして、面接プロセスを経て内定。現在の会社に転職することになりました。

 本人的には同業であれば外資系と国内系でそんなに違わないはず…と思い込んでいました。ただ、それは大違い。これまでのマネジメントが全く通用しません。部下との信頼関係がどうしても築けないのです。もちろん一生懸命にSさんは取り組んでいますが、どうして部下と信頼を築けないのでしょうか?