逃げ道のない地銀には悪夢

 まず、有価証券については「アベノミクス相場による株価上昇が、15年度も同じペースで進むか不透明」(地銀幹部)だとみている。

 日経平均株価の上昇が13~14年度と同じ水準で続くと仮定すると、15年度末の日経平均株価は2万5000円ほどとなる。この水準を見込んで経営計画を立てるのはリスクが高いという見立てだ。すると、この2年間のように株の売買益や評価益を当て込むのは難しい。

 現に三井住友FGは15年度の業績予想で、有価証券の売買を担う市場営業部門で800億円ほどの減益を織り込んでいる。「過度な予算は与えない」(宮田孝一・三井住友FG社長)方針だ。

 もう一つの与信費用についてだが、三菱UFJFGとみずほFGは大口融資先であるシャープの業績悪化で、与信費用が前年度と比べて1000億円規模で大きく膨らむ事態が起きてしまった。

 一方、その余波を免れた三井住友FGも、傘下に置く三井住友銀行の与信費用の戻り益は先細りだ。また、連結ベースでの与信費用の適正水準は1000億円程度という認識を示しており、14年度決算での80億円弱という水準がいつまでも続くとは考えていない。

 3メガは二つの“バブル”の穴を埋めるために、海外事業の拡大や投資銀行・信託機能など総合的な金融サービスの提供による手数料ビジネスに注力する。

 ただ、中にはそのような埋め合わせの手段を持たない地銀もある。となれば、“バブル”の終わりはそうした地銀の業績悪化に直結し、さらなる業界再編の号砲になりかねない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)