ウーバーのCEOは
訴訟が起きてもひるまない
社会のルール、ビジネスのルール…。「ルール」は何のためにあるのか、考えたことがありますか? ルールとは何も考えない人のためにあるという意見がありますが、たしかに何らかの縛りがなければ、社会は無秩序きわまりない状態になってしまうでしょう。しかし、頭脳を駆使してイノベーションを起こす人は、これまでのルールをガラリと変えてしまうことがあります。
その背景にあるのは、「このビジネスによって世の中をこんなふうに変えたい!」というパッションとビジョン。それらが結果として、新たな価値観を創造し、ルールをも変えるわけです。
一例を挙げてみましょう。スマートフォンを使った配車サービスを提供する米ウーバーテクノロジーズのトラビス・カラニックCEOは、世界中で多くの訴訟を受けていても、サービス導入をためらうことはありません。
同社は米国をはじめ、アジア、欧州の主要都市に次々と進出し、行く先々で既存のタクシー業界から猛反発を受けています。業界のルールを世界規模で変革しようとしている彼にとって訴訟は、ルールを変えようとしている証しとも言えるわけです。
社会のルールはこれからわずか20年の間に、SF映画を超えるほどに激変することでしょう。そう、今は“チェンジ”の時。いつまでも古いルールに縛られているようではイノベーションや新しいアイデアは生まれません。
アップルが必ず2社のサプライヤーと
取引する理由とは
ここにきてシャープが再び経営危機に陥っていますが、その理由にも"チェンジ"が大きく関わっています。シャープは、世の中が変わっているのに“チェンジ”できなかったのです。この連載でも何度か書いていますが、現代のビジネスではパーツ屋であることにプライドを持ち、それに甘んじている限り、明るい未来は訪れません。
では、なぜパーツ屋ではいけないのか。たとえば、アップルは必ず2社のサプライヤーと取引するといいます。それは、どんなに優れたパーツをつくるサプライヤーでも1社だけではその会社に何かあれば生産が止まってしまうからです。