「うちの会社へ出産しにくる気かな……」

妊娠・出産はおめでたいことではあるのですが……

 転職面接で最近女性から多い質問の一つに「産休・育休制度について」があります。法律で育児・介護休業法が施行されてはいますが、まだ世の中で定着しきったといえる状況ではなく、制度の内容や運用も各社各様なので不安があるのでしょう。

 出産や子育てを視野に入れている人がその会社の産休・育休制度について確認することに何の問題もありませんが、質問がそればかりに終始すると面接官に「この人、うちの会社に出産しにくる気かな……」と警戒されることもあります。

 転職した女性がすぐ「妊娠しました」と申し出るケースは、実は少なからず見かけます。おめでたい話ではありますが、会社側から見ると手間と時間と採用費をかけ新戦力として採用した人がすぐいなくなってしまう、という困った事態に陥るわけです。採用した人事担当者はラインから詰め寄られたりもします。

 転職したばかりの時期にたまたま妊娠したという場合もあるでしょうし、一概に言えることではありませんが、新しい職場で反発を受ける可能性は大いにあります。いくら本人が頑張って働くつもりでも、妊娠中に周囲の反発を受けるストレスフルな状況に身を置かせるのは母子の健康のためにも好ましくありません。

 転職してすぐ妊娠、出産してもまったく構わないという会社もありますが、多くの場合、本人にとっても会社にとってもあまりよいことはないのが現実です。

産休・育休倒産が発生する!?

 とくに中小企業の場合、産休・育休中の社員の仕事をどうカバーするかは大きな問題です。大企業では1人抜けたとしても他にカバーできる人員の余裕がありますが、中小企業でそうはいきません。