常に周囲に気を使う人は、「そこそこ」を超えることはできない
ユーザーです。
ユーザーが求めているものから、ほんの「1ミリ」ズレただけでも、つくり上げたプロダクトは相手にしてもらえない。そんな、マーケットの厳しさが骨身に沁みているのです。
だから、彼らは「ユーザーが求めているものは何か?」を確信がもてるまで考え抜いて、絶対に妥協しようとはしません。もちろん、いろんな人の意見に耳を傾け、さらに自分のプロダクト・イメージを磨こうとします。しかし、職場の空気に合わせるような曖昧なことはしない。職場で批判されることよりも、ユーザーのニーズからズレることを恐れているからです。
僕は、これこそプロフェショナルだと思います。
こういう人でなければ、ずば抜けたプロダクトをつくり出すことはできません。
「いいもの」をつくるために、いちばんやってはいけないのは調整です。「AさんのアイデアとBさんのアイデアを組み合わせよう」と、「あれもこれも」と機能を付け加えて、複雑で使いづらいものを生み出してしまう。あるいは、「上司の好みに合わせよう」と、焦点のぼやけた曖昧なものを生み出してしまう。それでは、ユーザーの心をつかむことなど、できるはずがありません。
なぜ、調整が行われるのか?
職場の空気を読むことが、仕事の目的になってしまっているからです。これでは本末転倒です。会社は社員同士仲良くするためにあるのではありません。あくまで、ユーザーに喜ばれるものをつくる場所です。そのためには、職場の空気を壊すことを恐れてはならない。軋轢を恐れてはならないのです。
常に周囲に気を使う曖昧な人は、そこそこの仕事はできるかもしれません。しかし、「そこそこ」を超えることは絶対にできません。ずばぬけた結果を出すためには、空気を読んではならないのです。ユーザーが求めていることを、シンプルに追求する人だけが、ズバ抜けたものをつくり出すことができるのです。