経済の現状認識と見通しは上方修正
個別では労働市場と家計支出が高評価

 今回のFOMCにおける米国経済の現状認識は「緩やかに拡大している」とされ、4月の前回会合から上方修正された。前回会合の声明文にあった冬季の一時的要因に関する言及は削除され、足下で景気は回復基調に復しているという認識が示された。

 なお、2015年6月3日に公表されたベージュブック(地区連銀景況報告)では、やや軟調な経済指標が散見される中でも、明るいコメントが多く、大半の地区連銀の管区内で拡大が続いたと報告されていた。

 個別項目への評価を見ていくと、労働市場に対する評価は引き上げられた。緩慢とされていた雇用の創出ペースが改善しているとされたことに加えて、未活用の労働資源についても、いくぶん解消されたという従来の表現へと修正された。

 また、前回減少しているとされていた家計支出に対する評価が、緩やかに増加しているとされたほか、住宅市場が改善し始めたことに対する表現が付け加えられた。

 一方、設備投資と輸出については軟調なままとされている。インフレ動向についてはエネルギー価格、および輸入物価の下落を背景に伸び率が低位にとどまっているとの認識に変化はない。ただし、エネルギー価格は安定しつつあるとされ、エネルギー価格が一層低下することによるインフレ率低下への懸念は緩和しているという見方が示された。

 今回公表されたFOMC参加者による経済見通しは、2015年が下方修正される一方で、2016年以降については小幅に上方修正された。ただし、イエレン議長の記者会見では、2015年のGDP成長率の下方修正に関しては、2015年1-3月期のGDPがマイナス成長となったことが主な要因であると説明されている。

 足下の景気判断の上方修正と併せて考えると、短期的にも先行きに対する見方は明るさが増したと考えられる。失業率についても、2015年の見通しが前回から悪化したものの、2016年以降の見方に概ね変更はなかった。