「2030年に引退する」
という経営のゴール

――経営戦略としては、2030年時点の姿まで描いていますね。

西澤 まず「2020年からがスタートライン」だと思っています。日本にとっても、私たちにとっても、東京オリンピックが開催された後、日本がどうなっていくのか。そこで、私たちがどのような会社であるべきか、という点を考えて、2020年を本当のスタートと捉えています。だから今はそのスタートラインに立つ準備期間であり、スタート地点に向かって注力しているんです。

 今は国内31拠点、海外11拠点ですが、2020年には、「国内50拠点、海外31拠点達成」。また、介護、保育、海外の領域で圧倒的なナンバーワンを取り、国内の業界内の知名度ではベスト3になっていたい。社員規模では4000人、また、子会社、関連会社を含めて50人の経営者がいるグループにしていたい。

 そして、2030年には、アジアを代表するサービスカンパニーになることが目標です。

 この先、日本の経済成長が鈍化する一方で、アジア経済はどんどん成長していく。そうなると、日本はアジアで稼ぐことが必要になってくると思います。だから、本社は日本にあって、アジアで稼いで、税金を日本に納める、という企業をどんどん増やす必要があると考えているんです。僕は北海道出身でこうして東京で働いていますが、それが日本とアジアの関係になるのと同じだと思っています。

 ですから、アジアで活躍できる日本企業、アジアで活躍できる日本人を支援する。海外就職、海外転職事業に進出したのはそのためです。3年前に僕は国内事業を全て他のメンバーに任せて、社内の3人と一緒に海外事業を立ち上げにいきました。

 やり出してみたら本当に大変なんですけれど、現地の声をナマで聞いていると、どんどんこの事業をやる意義が見えてきました。

――成功する姿は描けていますか。

西澤 そうですね、まだまだですが、コツコツ積み重ねることができていると思います。

 2030年までにアジアマーケットを代表するサービスカンパニーになることを目標として描いていますが、私はそこで引退するつもりです。

 2020年に「スタートライン」に立ったら引退まで10年。2020年に42歳ですが、残りの10年をアジアマーケットで力を使い切って、それで経営のバトンを渡したい。私たちが2030年までにアジアを代表する企業にして、その次の世代にはグローバルカンパニーにしてもらいたいんです。

「優秀な人材が沢山いるだけでは会社は伸びない」<br />西澤亮一・ネオキャリア社長

 経営は本と一緒で、壮大なストーリーだと思います。本を読むなら結末を知らないほうがいいですが、経営のストーリーを描くなら、まず、最後のイメージ、結末ができていないとストーリーが描けない。だからまず、引退を決めました。そしてそこに向かうストーリーを明確に描き、その結末に向かって今、進んでいます。

(取材・構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 山出暁子)