「伝えるものに対する愛」こそが
隠されたプレゼン力を引き出す

西脇:プレゼン技術を上達させるうえで究極的に大切なこと、それは「プレゼンするもの/こと」に対する愛情です。

思えば、わたしがエバンジェリストになったのも、「プレゼンが好きだから」というよりは、むしろ「自分がつくったソフトウェアへの愛があったから」でした。

20代のころ、岐阜の小さな会社でプログラマーをしていたころは、何時間、何日間もかけてソフトウェアをつくる生活を送っていました。

どんなに大変な思いをしようと、やはりそれだけ汗をかいてつくったものには愛着が湧いてきますよね。すると、このソフトのどこがすばらしいのか、こんな工夫をしてある、こんなふうに使ってほしい ― そういうことをお客さんに直接伝えたくなるんです。

西脇氏の新刊『プレゼンは「目線」で決まる』。売れ行き好調につき、発売から5日程度で増刷が決定した。

編集F:その気持ちがどんどん高まっていったと?

西脇:そのとおり!「どうすればいちばん効果的に魅力を伝えられるか?」に意識が向かうようになりました。そこから、プレゼン研究の日々が始まったんです。

ですから、いいプレゼンをするための隠された秘訣があるとすれば、それは「これを相手にも好きになってほしい」という気持ちだと、日頃からそう考えています。

編集F:たしかに、ドローン11機に100万円以上の自腹を切っているなんて…いわゆるコンサルタントが「調査」としてやる範囲を間違いなく越えていますよね。