抱いたり、おぶったりもそのような訓練になるのですから、外の世界が見えるような抱き方、背おい方が大切です。
赤ちゃんの見える世界は、育つにつれてひろがっていくので、与える刺激の距離はだんだんとのびていきます。
最近の脳科学の成果の1つに、「自分の意志で行なう随意運動は、前頭前野からはじまる」ということがあります。
第1期(反射期)の運動は、前頭前野を経由しないで起こっているのですが、反射が運動に変わりはじめる第2期(首すわり期)になると、前頭前野が働くようになります。
反応はすべて、赤ちゃんが自分からする随意運動なので、前頭前野が働いているのです。
第2期(首すわり期)は、前頭前野をきたえる訓練をはじめる時期なのです。
見たり、聞いたりした刺激にすぐに反射を起こしていたのが、徐々に刺激があって、遅れて運動を起こすようになります。
大人が刺激に反応して時間遅れで随意運動をするとき、どのような随意運動をするかは、前頭前野で記憶してからはじめます。
この記憶は運動が終わるまで覚えている記憶で、「ワーキングメモリー(作業記憶)」と呼ばれています。
いろいろな反応ができるようにするには、ワーキングメモリーの能力を高くしなければいけません。
第2期から前頭前野の記憶をよくするのに使わなければならないのが、「いない、いない、ばあ」なのです。
「いない、いない」でお母さんの顔を見ないようにしても、顔が目の前にあるということを覚えていないと、一緒に「ばあ」ということはできないのです。
この記憶は前頭前野に保存されます。
具体的なやり方は、『赤ちゃん教育』の【実践篇】にイラスト満載で掲載されているので、そちらを参考にしてみてくださいね。