多種感覚の連合
――目と耳と同時に使うことを覚える

 第1期(反射期)の赤ちゃんは、音を聞いて首を動かすので、聞こえているということがわかります。

 しかし、その音が出てくるほうへは注意を向けません。
 この第2期(首すわり期)になると、音のしたほうへ首を曲げ、それを目で見ようとします。

 こうして耳と目を同時に使うことを覚えます。お母さんが声を出しながら近づいてくるとき、お母さんの姿を見て、声を聞いて、お母さんが近づいてくるのだということをだんだん理解していきます。

 外の世界の音を聞き、目で見て、手でさわって、外の世界の知識を増やし、だんだん複雑な世界を知っていきます。

 そして、外の世界の「もの」についての知識をだんだんと増やしていくのです。

 この時期に、外の世界の知識を増やすのにおもちゃは必要です。

 赤ちゃんがさわれるもので、にぎったりふったりしたときに音の出るものがよろしい。このときには、高価なおもちゃはいりません。手と目と耳を同時に使うようにしむけられるおもちゃならいいのです。

 第2期の終わりは、首がすわってくるころで、だっこしても椅子にすわっても、ガクンと傾かないことが大切です。こうなれば、赤ちゃんは次の第3期(腰すわり期、3ヵ月半~5ヵ月半ごろまで)へ移行します。

自分の手を見つめる
――心の発生

 生後1ヵ月にもなると、赤ちゃんが自分の片方の手を目の前にもってくることがありますが、たまたま手が顔のほうへ動いただけです。

 6週間ほどたつと、自分の手に目を向けるようになります。

 日ごとにその動作の回数が増え、見ている時間が長くなり、手を見つめるようになります。赤ちゃんは言葉ではいえませんが、その手が自分のものであること、外界のものでないことをだんだんと理解していきます。

 手を見つめる行動は、手を使って意識的に行動する基礎になるもので、このときに赤ちゃんの心が発生したと考えられます。

 首がすわり、外の世界を見つめるようになると、反射期は終わり、第2期の首すわり期に入ります。