最近、暗算と脳の関係が研究され、暗算は数で考えることで、暗算中に前頭前野が働いていることがわかりました。子どもは答えをワーキングメモリーとして前頭前野に保存し、大人は海馬を使って、下頭頂小葉に保存していることが2013年に報告されました。
大人の暗算は速くてまちがわないのですが、子どもは遅くてまちがうだけでなく、数を数えたり、計算するときに身体を動かしています(これを「カウンティング」といいます)。
暗算では、考えて答えを出しているのではなく、記憶して答えを出しています。
ですから、くり返し、答えを唱えていれば覚えやすいのです。
じつは、子どもは大人より記憶能力が高いのです。これは、子どもの徐波睡眠(→『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』をご参照ください)の期間が大人より長いからだという睡眠学説が有力です。
赤ちゃんにくり返し暗算をいわせると、答えをかんたんに覚えてくれます。
小学2年生で算数のできる子とできない子を集めて、暗算の個人教授をした実験が最近アメリカで行なわれました。
個人教授をすると、どの子どもも暗算能力が上がりました。そこで、暗算能力の差がなぜ生じたかが調べられたのですが、子どものIQ(知能指数)や前頭前野のよさはちがいがなく、ちがっていたのは、実験の前にどれくらい暗算の回数をしていたかだったのです。
暗算のできない子どもは、それまで暗算をしていなかったか、ただたんに回数が少なかっただけなのです。
答えを教えてやってやれば、だれでもできるようになったということでした。
赤ちゃんが0~9の足し算と引き算ができると、小学1年生修了時の算数の能力をもっていることになります。
この赤ちゃんたちが小学校へ入学すると、どんなことが起こるか予想できません。
足し算と引き算のあとに、掛け算の九九の答えをワーキングメモリーに覚えていけば、小学2年生修了時の学力をもつことになります。
これは、脳科学の成果を利用すれば、教育の効率を高めることができる一例です。
暗算の記憶をさせれば、子どもの能力が高まり、学業成績だけでなく、対人関係能力もアップします。ぜひ暗算をさせてください。
クボタメソッドで「赤ちゃん教育」を少なくとも1年以上受けた赤ちゃんが、小学校入学以前に、小学2年生修了時の算数の実力をつけることはむずかしくありません。
数の暗算を小学校へ行く前に教えましょう。
具体的なやり方は、『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』の【実践篇】にイラスト満載で掲載されているので、参考にしてみてくださいね。