数と脳――数の概念を教える
第5期(二足歩行期)になると、数の概念を教え、算用数字(0、1、……、9)を見て読めるようにして、1ケタの足し算と引き算を暗算でできるようにしましょう。『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』の【実践篇】のようにするとやりやすいでしょう。
数(ナンバー)は数字をあらわし、特定のものについて数え、それには単位があります。リンゴは1個、2個。車は1台、2台。時間は1秒、2秒。これが数の3要素で「種類(リンゴ)、数(1、2……)、単位(個)」、これを数の概念といいます。
赤ちゃんに、おもちゃの車を3台見せ、「車が何台?」と聞いて、「車が3台」と口で答えてもらいます。
次に、車をすべてとりあげて見えなくして、「車が何台?」と聞きます。「車がゼロ台」という意味を理解して、答えるのはむずかしいことです。ただ、「ゼロの概念」をマスターすることは、数学的なセンスを身につけるうえで非常に大切です。ぜひとも、答えてもらうように働きかけましょう。
「4、3、2、1」など、数を逆からいえるようになったら、お風呂のなかで一緒に数をいい、「4、3、2、1、0」でお風呂から出るようにします。
これを数回くり返すと、時間が「ゼロ秒」になると、お風呂からあがることが自然と理解できるので、徐々に「ゼロの概念」ができてきます。
「0、……、9」の概念ができたら、次は足し算です。
1+1=2(「イチたすイチはニ」)、1+2=3(「イチたすニはサン」)……。
数字を見せ、口で唱えて答えをいわせ、覚えてもらいます。
赤ちゃんはワーキングメモリーで覚えますが、すぐに忘れますから、答えが正しくいえるようになるまで何度もくり返します。
答えをまちがえず、早くいえるようになると、海馬が働いて下頭頂小葉(かとうちょうしょうよう)に保存されるようになります。