日本の強みと課題
これから求められること

松江 最近、経営者に日本の強みについて聞いているのですが、岡田さんは代表チームを率いられて日本の強みや弱みについてどう思われますか。

岡田 サッカーをやっているとすごく感じるのですが。日本人は、私も含めてそうですけど、特にアングロサクソンとか西洋に対してコンプレックス持っていますよね。だからそのコンプレックスを乗り越える方法を考えるんですよ。日本人って、個人でそのコンプレックスを乗り越えられないんですが、集団になると違うんですよ。結束すると強い。

 ただ、日本人は優れた民族で、控えめでとても美しいし、人間的には素晴らしいと思うんです。でも、生存競争をするときには、脆いかなという気はします。それでも今までは、ある程度は生存競争に勝てましたが、貨幣金融資本主義の今の枠組みの中では、このままではこの先、勝っていけないかもしれません。

松江 日本人の保守的だったり、周りを気にするとか、他と違うことやったら怒られるとか、精神的な土壌がありますよね。例えば、企業のイノベーションについても、他と違うことを積極的にやらないとイノベーションなんか起こらないとわかっていても、失敗したら怒られると思うと萎えてしまう。だから、リスクをとってでも他と違うことを奨励する環境が大事だと思います。

岡田 おっしゃる通りです。今後の生存競争に、このままでは勝っていけないかもしれないという危機感が、日本人の今まで良かった面まで変えないといけないというか、流れになっているような気がするんです。

 ただ、私は良かった面を全面的に否定して変えようとしても、変えられないような気がします。その際は、リスクを取る覚悟をやりやすい環境をつくることが大事だと思います。官僚的な減点主義でなくて、失敗を大らかに受け入れて、任してやる。私が最初に言った「生物的組織」においても、ある程度、そこにはリスクがあります。それでも、そのための土壌はつくってリスクを読んで任してやる。

 任されたら嬉しいし、頑張ろうと思うし、それで結果出たら、よし、もっとやってやろうと思う。生物的組織のような環境は、こちらからつくってあげないといけないという気はするんですけどね。