「広告出稿と言えば代理店に頼むもの」と思っていないだろうか? 米国では、大手、ブランド企業の広告部門の「インハウス化」が進んでいる。
米国アドテクノロジー企業INDEX社が2014年5月に発表したレポートによると、広告主マーケターが直接運用するデジタル広告費は、2013年に前年比で約4倍になったという。
同社サイトに公開されている「広告出稿トレンド」を見ると、現在、小売、消費財、金融、旅行、自動車の順で出稿量が多い。また、「Price stream」にも注目してほしい。地域、業種、CPM(広告単価)が、リアルタイムに更新表示され、広告がオンラインで売買されている様子がわかる。まるで広告市場が株式・為替市場化しているかのような体験ができる。
米国では大手企業が自ら
デジタル広告流通をフル活用
米国のデジタル広告市場が日本と大きく異なる点は、大手、ブランド広告主の積極的な参入である。
自社サイトに集客するための広告はもちろんのこと、他社が運営するショッピングモールサイトの自社商品ページに集客する広告など様々な機会がある。
また、その牽引役であるウォルマートやアマゾンの存在も大きい。彼らは自社のユーザーの「興味・購買データ」を提供し、メーカーやサプライヤー広告主の広告出稿を引き出していたりする(図1)。
このようにデータを介して異業種がつながり、新しいマーケティングチャネルを形成しているのである。チャネルの多様化によってマーケティングはますます高度化している。それも手伝って、昨今広告主のインハウス化が進んでいるというのだ。