GMOインターネットを経て、トランスコスモスに入社。ハンズオンバリューアップ担当としてAD2、Ask.jp等のグループ会社に出向しアドネットワーク事業開発を担当。その後、サンプルマーケティング、アドテクノロジー会社等の役員を経て、2014年よりネットイヤーグループに参画。現デジタル広告事業責任者
企業の宣伝活動において、もし、見られない広告に投資しているとしたら…?
NHK世論調査部の調べによると、「テレビを見ない層」の20代は男女共に26%いるという。20代人口は約1307万人であるから、約340万人はテレビを見ないということになる。1日1時間以下の「視聴時間が短い層」が男女平均で約20%(約261万人)という数字も見逃せない。
「視聴時間が短い層」のテレビ視聴シーンを想像してみよう。出勤支度中に天気予報と時刻を確認する程度の“ながら見”、帰宅後夕飯時の“BGM代わり”という人も少なくないかもしれない。テレビでリーチ可能な20代は一定数いるものの、半数近くはリーチが難しい状況になってきている。
また、ブランド、商品・サービスの「認知、興味、好意」は、B2B、B2Cに寄らず、影響は、販促、採用ほか、広範囲にわたるだろう。これらの要素を除くと、生活者の視点は金銭面、機能面などのスペック比較がよいところで、そもそも、それ以前に無関心ということもあり得る。
企業は、テレビのリーチが届かないユーザーに効果的なブランディングをしたいと考え、有効な手段を探しているが、果たして…。
広告を取り巻く
ビジネス環境の変化
見られる広告の前提には何が必要であろうか。まずベースとして必要なのは、十分なリーチ、コンテンツを持った“見られるメディア”であろう。
今、十分なリーチを持つデジタルメディアを使った広告に注目が集まっている。戦略的なデジタルブランド広告を検討する企業が増加しているのだ。
具体的には、運用型デジタル広告(DSPと呼ばれるネットワーク型広告出稿システム)を使った手法だ。メディアをネットワークすることで十分なリーチを確保し、DMPと呼ばれるデータマネジメントシステムを組み合わせて使うと、ターゲットユーザーの絞込みや、同ユーザーへの継続アプローチが可能になるのである。デモグラフィックベースの絞込みや、ユーザーが視聴した広告、接触したコンテンツの履歴に応じて、広告内容を最適化することも可能なのである。