救急車のたらい回しをはじめ、産婦人科医や麻酔医の集団退職、そして医療事故……。病院に関する最近のニュースは暗いものばかりです。
それもそのはず。“医療崩壊”という言葉が使われ始めて久しいですが、その崩壊ぶりはますます深刻なものになっているからです。
しかし、そこは命を預ける病院ですから、安心できる病院で見てもらいたいというのがみなさんの心情でしょう。
そこで今回、全国の一般病床の540病院、療養併設型病床の87病院を対象に、「安心度ランキング」を作成、病院の格付けに取り組みました。
医療従事者や専門医の人数をはじめ、看護師の配置から保有施設、そして病院へのアクセスに至るまで独自の13指標で北は北海道、南は福岡まで、全国の病院を“診断”してみました。
その結果は……。
大変、意地悪ですが、ここではお知らせできません。本誌を見てみてください。
そのほか、「ガン」「脳」「心臓」の各分野別に開業医や勤務医といった“プロ”が評価する名病院ランキングもご紹介。安心度ランキングと合わせてみれば、どの病院にかかればいいか一目瞭然です。
その一方で、どれだけ名医を抱え患者が列をなしている病院でも、経営状態はお寒い限り。あの有名病院もじつは赤字続きなんてこともざらで、倒産件数も過去最高に達しています。
もちろん、病院の収入源である診療報酬が3年連続でマイナス改定になるなど、病院を取り巻く環境が年々悪化しているという背景もあります。
しかし、病院の院長に経営者としての資格があるのか疑いたくなるようなケースも。放漫経営や、身分不相応な設備投資で借金を数百億円まで膨らませてしまった挙げ句に、「金利を払っているんだから文句を言うな!」と銀行に対して言い放つ、とんでもない院長までいるというのですから、開いた口がふさがりません。
その結果、医師は逃亡し、看護師もいなくなる。挙げ句、病院は……。そうした崩壊の現場もつぶさに追いかけました。
加えて、医療界では異端児ながら全国最大のグループを形成、いまや海外からも病院建設のオファーがひっきりなしという「徳洲会グループ」や、株式会社として実質的に参入している「セコム」の実態にも迫っています。
もちろん、症状別にみる「正しい病院の選び方」もご紹介。これで病院のことはすべて分かる一冊になっています。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 田島靖久)