将来予測のプロセス

 コントローラーの最も重要な業務である、戦略計画・事業計画・予算およびローリング予測といった将来予測に関わる業務を、各社がどのように運用している かを見てみよう。79%の企業が戦略計画・事業計画を策定している。特筆すべきは定期的に予測を更新する「ローリング予測」で、2012年25%、 2013年37%、2014年45%と年々増加しているのが分かる (図2参照)。戦略計画は、中期事業計画の一環として利用されており、計画期間は3年から5年が60%で、29%は3年未満だ。一方、事業計画は、18% が3年から5年で、79%は3年未満となっている。計画作成に要する期間は、戦略計画の74%、事業計画の84%が3カ月以内だ。

 

財務マネジメント・サーベイ<br />【特集】欧米企業における<br />コントローラー部門の役割

 

  予算作成に要する期間にも短縮化傾向が見られ、73%は3カ月未満で 作成しているが、予算データの粒度は粗くなっている。全体の78%が予算作成を長期事業計画プロセスに組み込んでいる一方で、月次予算を作成する企業が 54%にまで減少したことは、ローリング予測の伸長の影響と思われる。

 北米企業の60%がローリング予測を採用しているのに対して、欧州企 業は39%にとどまっている。また、予測を採用している企業の64%は、「予測情報の質および付加価値は、いかに早い段階で注意を喚起し、修正アクショ ン・プランの実施に結びつけることができるかどうかで決まる」と答えている。日本企業でローリング予測を採用している企業はまだまだ少なく、既に前提条件 が変わってしまった期首計画や予算をそのまま年度末まで使っているケースも見受けられ、経営管理手法として改善の余地は大きいように思う。

 月次ベースで予測の更新を行っている企業数は、対前年比17%減少 し、更新頻度を半期に一度とする企業が増えている。また、北米企業の50%が月次ベースの更新をしているのに対して、欧州企業は29%、北米企業の大半が 1週間以内で予測を策定するのに対し、欧州企業は2週間以内が大半となっていて、北米企業のスピード重視の姿勢が際だった形だ。