では、それをどう手当てするのかを考えると、ある意味、村山談話的な謝罪も仕方がないということを、そろそろ日本の保守の側も大人になって、考えないといけない。わしはそういう気がしている。だから、わしは今や村山談話にそんなに否定的ではなくなった。

日本に真の外交主権はない
改憲して自衛隊を軍隊と認めよ

――小林さんがお考えになる、本当に独立した日本とは……。

 外交主権を持つこと。だって「この戦争したくない」と言えなければどうしようもない。たとえば、安倍首相も自民党もいまだにイラク戦争を否定できない。わしはイラク戦争に反対と言い続けて、保守の側からバッシングされたが、これから先も同様なことはあり得る。「イラク戦争は間違っていました」と言うと、アメリカが間違ったことを命令してくることもあるという話になるから、そこを曖昧にしておきたいわけだ。

 わしが言いたいのは、日本には本当の主権はないということで、ここが一番の問題。国家の体を成していない。自分で決められない。だから沖縄の基地の問題も解決できない。自分からお金を出して米軍基地を置いている国は、日本と韓国とクウェートしかない。フィリピンにしろ、他国はみな米国がお金を出して基地を置いている。

 主権を回復するためには、自分の国は自分で守る。憲法を改正して、自衛隊は軍隊だと認める。そうしても、軍事費は言われているほどは増えない。沖縄に駐留している米軍に使っている思いやり予算が必要なくなるからだ。今のように自衛隊をあいまいな存在にしておく方が、国際法的にはよほど危ない。

 国際法上、軍隊はネガティブ・リスト(原則として規制がない中で、例外として禁止すること)だ。たとえば「捕虜は虐待してはいけない」と決められているが、自衛隊は軍隊ではないから、捕虜として相手国に扱われるのか。また、自衛隊員が誤って民間人を殺してしまった場合、軍隊は敵を殺すことが認められているが、自衛隊には軍法会議がないため、国内法の殺人罪に問われる局面も出てくるのではないか。

 自衛隊はポジティブ・リストでできることだけを書いていくので、ネガティブ・リストで動く米軍と一体になって戦場に行くのは無理がある。国際法上規定があやふやなままの状態でどんどん外に出て行くのは、自衛隊員にとっても危険すぎる。

 ベトナム戦争でも、アフガン・イラク戦争でもアメリカは負けた。侵略して負けたわけだ。軍事大国が軍事小国に勝つことはない。軍事大国は、軍事力に経済をかけすぎて、疲弊していく。日本はそんなアメリカについて行かないように、憲法を改正して、「侵略戦争はしない」「外国の軍事基地は置かない」と憲法に書くべきだ。