村田には、今でもこんな理想がある。だから見合いの際、その意味での「当て」が外れると、会話をするのも億劫になってしまうのだ。

次々結婚していく部下の女性たち
人の結婚話を聞くたびに辞めたくなる

 婚期を逃した村田に対して、周囲はそれとなく気を配る。営業部で「20代の社員が結婚する」といった噂が流れる。40代後半の部長は、課長である村田がいないときを見計らい、「おめでとう」と声をかける。

 その都度、村田は肩身の狭い思いがした。特に20代の女性たちが次々と結婚するのを知ると、一段とやるせなさを感じる。

 なぜ、あの女性たちの尻拭いをいつまでもさせられているんだ……?

 営業部には40人ほど社員がいる。平均年齢は20代後半。30代の男性社員が数人しかない。これが致命的なのだ。新卒、中途で入る社員は、数年以内に辞めていく。会社は5年ほど前に業績難で、大規模なリストラをした。400人近い社員を300人ほどまで減らした。

 40~50代の使えない中高年層が一気にいなくなるのかと思いきや、30代で優秀な男性が大量にいなくなった。その後は、残った30代の男性社員に仕事がなだれ込む構造になっている。そんなこともあり、村田は出世頭になり、早々と課長になった。そもそも、競い合う相手がいなかっただけなのだ。

 課長になると、想像を絶するほどに仕事が多くなった。月の残業は、80~90時間をキープするほどになっていた。ところが、残業代は支払われない。総務部によると、残業代は管理職手当に含まれているのだという。なぜか非管理職だったときのほうが、給料が多い。こんな生活が、もう3年も続いている。

 四国の実家の親からも勧められ、2年前に今の「結婚相談所」に入会したものの、意中の女性は現れない。目の前に登場するのは、好みとはかけ離れた女性たちばかり。騙された……!

 そんな不愉快で釈然としない思いを、村田はずっと引きずっている。職場では一応課長らしく振る舞うが、解せない思いがますます強くなる。部下である20代の社員の面倒をみるのだが、この新卒の社員たちも、入社後数年以内に大量に辞めてしまうだろう。その筆頭が、20代後半以内に「寿退職」する女性たちだった。

>>後編『「みんな、早く離婚してしまえ!」 結婚できないアラフォー課長の逆恨み日記(下)』に続きます。

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