どんなに話のネタを仕込んでも、オシャレをしてルックスを磨いても、相手の心を開き、「特別な人」になることはできない。「自分磨き」のベクトルはあくまでも自分だからだ。
それでは、「心を許してもらえる人」とはいったいどんな人なのか?
人に心を許してもらうには、「あなたがどれだけ魅力的か」ではなく、「どれだけその人のことをわかってあげられるか」のほうが重要。「特別な人」になるためには、「魅力的な人」になる必要はなく、「わかってあげられる人」になればいいのだ。
狙った相手に「この人ならわかってくれる」と感じさせるには、どんな点がポイントになるのだろうか。
人はどんな相手に心を許すのか
前回、相手の心を読んで、相手をハッピーにし、相手の「特別な人」になることが大切だとお話ししました。
みなさんは「特別な人」というと、どんなイメージを浮かべるでしょうか? 心に留めておいていただきたいのは、「特別な人」は“優秀である”とか、“容姿が優れている”とか、とは異なることです。
あなたの職場やサークル、友人などを思い浮かべてみてください。そのなかで、いなくなると困る相手は誰でしょうか?
必ずしも“能力が高い人”ではないはずです。能力が高いからといって、あなたをハッピーにしてくれるとは限らないからです。それよりも、あなたと“馬が合う人”、つまり「心を許せる人」が大切なはずです。この点をよく理解していないと、努力の方向性を誤ることになります。
かく言う私もその一人でした。ホストを始めた頃、お客さまとの会話がまったく盛り上がらないので、少しでも会話のネタにしとうと雑学の本をたくさん買い込みました。そして、「肉食恐竜は人間と同じ歩き方だけど、草食恐竜は右手と右足を同時に出す」という話がなぜか私のツボにはまり、それをお客さまに「知ってます?」と、話したんですね。すると、間髪入れず「だから何なの?」と言われ、見事に玉砕しました(笑)。
今思えば恥ずかしいくらいイタい話なのですが、これはモテない人や婚活中の人がハマりがちな落とし穴と同じです。どんなに話のネタを仕込んでも、ルックスを磨いても、それは相手の「快」を満たすことにはなりません。自分磨きのベクトルはあくまで「自分」だからです。
それに、どんなに自分を磨いても、上には上がいるものです。自分を上回るレベルの人は世の中にあふれているのですから、「特別な人」にはなれないのです。