一方で、この自家用車ライドシェアを合法化しようとする動きに反発しているのが、タクシー業界だ。日本のタクシー業界はすでに規制緩和の大きな波に洗われており、供給過剰問題の一方でドライバーの収入の低水準化が進み、待遇改善の課題を抱える。

 それでも日本のタクシーは、世界的に見ても地域公共交通を守るという見地から、安全・安心の評価は高い。自家用車ライドシェアビジネスが合法化されると、タクシーの存続危機につながるものとして、関係者は「絶対反対」の姿勢を示す。

「これは白タク行為ではないか!」
戦々恐々、猛反発するタクシー業界

 全国ハイヤー・タクシー連合会は、6月下旬に開いた通常総会で、「国民の安全を脅かし、地域公共交通の存続を危うくする白タク行為を断固阻止する緊急決議」を採択した。

 決議文の原文は以下の通りである。

「近年のネット社会を迎え、タクシー業界がスマホ配車等への取組みを一丸となって進めている中で、平成27年2月初旬に福岡市でウーバーなる外資系企業がライドシェア実験と称した白タク行為を突如開始し、道路運送法違反との国交省より指導を受け、一カ月後に中止したことは記憶にあたらしいところ。

 さらに最近では、楽天の三木谷社長が代表理事を務める新経済連盟からシェアリングエコノミーの成長を促す法的環境整備という名目の下、白タク行為を合法化すべく、道路運送法の改正等について、自民党の規制改革推進委員会及び経済好循環実現委員会に対しまた、政府の規制改革会議、国家戦略特区諮問会議等に対し要望・提案を実施している。

 この要望・提案は、国家の法令を遵守し、国民への安全・安心な旅客輸送サービスを提供している公共交通機関たるタクシー事業の根幹を根底から揺るがすとともに、与野党共同提案の議員立法により圧倒的多数の賛成の下、成立した改正タクシー特措法の意義を著しく損なうものであり断じて容認できない。

 業界一致団結して、このような動きを全力で阻止していくことをここに宣言する」