──十分な研究開発費を賄うための企業規模拡大は必要か。

 考えていない。というのも、医薬品事業は非常にリスクが高い。製品化の確率は2万5000分の1と非常に低いのに、10年以上、数百億円も投資する。さらに、鼻詰まりの薬が降圧剤になるなど、狙いどおりにいかないケースもある。

 結局、企業の大きさに比例して新薬が出てくるわけではない。であれば、われわれは研究から有効性を認める検証まで独自で取り組み、その後は、大手メーカーと組んで臨床試験を行ったり導出(ライセンスアウト)するなど、柔軟に対応する「ネットワーク型研究開発」を目指す。

──化学品事業は維持するのか。

 旧協和発酵のオリジンだが、わが社のグランドデザインのなかで異質な存在になりつつある。日本の化学品業界全体の動きを見渡しつつ、事業の将来性や雇用の問題も包含してベストの選択をしたい。

──キリンホールディングス(HD)とサントリーの統合破談では、協和発酵キリン株の放出が争点の一つとも取り沙汰された。

 報道で見たが真偽は知らない。ただわれわれの統合契約書には、キリンHDがわが社の株50・1%を10年間は継続保有すると明記されている。

(聞き手:「週刊ダイヤモンド」編集部 柴田むつみ)

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