あなたは会社で出世したい人だろうか。私のようなフリーの物書きからすれば、会社に就職したからには出世したいと考えるのが当然だろうと想像していた。しかし、実態は違うようだ。
株式会社クロス・マーケティングが実施した「若手社員の出世・昇進意識に関する調査」。この調査では、絶対に出世したいと答える人よりも、出世したくないと答えた人のほうが多いことがわかった。
調査は一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)に在住する20代、30代の男女、それぞれ250名ずつ、計1000名を対象に行われた。今後出世をしたいか、という問いに対して、「絶対に出世したい」と答えたのは、わずか12.0%。「できれば出世したい」人も28.8%だ。逆に「出世したくない」と答えたのが15.8%、「出世にはあまりこだわっていない」が43.4%という結果だから、積極的に出世したいと考えている人は40.8%ということになる。つまり、会社にいる若手社員のうち半数以上が、出世を望んでいないという驚くべき結果だ。
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ワークライフバランスではない
出世したくない理由とは?
部下の不真面目な勤務態度に腹が立ったときに、「そんな態度では出世できないぞ」なんて言ってみても、はなから出世が頭になければ脅し文句にもならなさそうだ。なぜこんなにも出世したくない人が多いのだろうか。
出世したくない理由(複数回答可)の1位は「ワークライフバランスのとれた生活をしたいから」(46.6%)というもの。既婚者や子どもがいる人の場合、半数以上がこれを理由に挙げている。年代・性別ごとに見ると、20代男性でこれを理由にしたのが40.6%と一番少ない。
では、20代男性が出世したくない一番の理由がなにかというと、「責任の範囲が広がるのが嫌だから」が44.6%。……草食系男子ではないが、覇気がなくないか、20代男性。30代男性になると、「責任の範囲」を理由にする人は減少し33.1%になり、ワークライフバランスを重視する人が増える(44.8%)が、同時に「出世をしても給与・年収がそれほど上がらないから」という理由を挙げる人も20代の31.7%から40.7%と多くなっている。
同じような傾向は女性でも見られる。「責任の範囲」を理由にする20代女性が41.5%、30代女性が34.9%。「給与・年収」は20代女性で29.2%、30代女性が34.3%といった具合だ。
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