現実には2017年4月に消費税率アップ、
品目別軽減税率+インボイス導入と予想

 経済的なロジックで素朴に考えるなら、増税はデフレ脱却後が好ましいし、税率を引き上げる際には、品目別の軽減税率をやめて、減税・給付金で逆進性対策を行うのが良い。そもそも、マイナンバーは、給付付き税額控除(いわゆる「負の所得税」)の実現に利用するのに良い仕組みだ。

 しかし、論理的に良いと思うことが、簡単には実現しないのが現実の世の中だ。価値判断を離れて、何が実現するのかを予想してみよう(注:この予想は外れる可能性が大いにあるので、アテにしないでください)。

 まず、残念ながら、2017年4月の消費税率アップは、実現するだろう。この予想は外れてほしいが、筆者は、政治家よりも、官僚の方が集団として強いと考えている。

 この際に、需要の落ち込みに対する対策として、何らかの財政出動がなされる公算が大きいと考えるが、税率引き上げ自体が「財政再建」のためという理屈になっているので、規模は増税分に達しないだろう。マクロ的には、主に「トータルの増税」が拙いのであって、税収の内訳で消費税のウェイトが増えることは必ずしも悪くないが、景気対策はたぶん不十分なものになろうし、場合によっては支出内容も非効率的なものになるだろう(落ち込むのは消費なのだし、消化が困難な公共事業よりは、即効性のある減税ないし給付金がいい)。

 だとすると、国民は、2017年には「不景気が予約されている」と思って身構えておく必要がありそうだ。

 政治的な人気の点でも、官僚の権限に絡む利害の点からも、軽減税率は品目別に指定するものとなって、インボイス方式が導入されるのではないだろうか。これなら、読売新聞も満足するだろう。

 軽減税率の実現時期は、政治的には急ぎたいだろう。

 インボイス方式も事務的にはそれなりに大変だろうが、マイナンバーカードの配布、読み取り端末の設置、システム構築とデータセンターの整備といったマイナンバーカード方式よりも早く実現できるのではないか。

 官邸主導で、軽減税率問題を解決し、消費税率引き上げをスケジュール通りに実施できれば、安倍政権は、財務省に恩を売ることができる。経済政策としては、この機に、消費税率引き上げ自体を先送りするように動いてもらうことを期待したいが、安倍政権にそこまでを求めるのは難しいのではないか、というのが、目下の「予想」である。繰り返すが、外れることを切に願っている。