ケンカの“ひきどき”
だけは教えておく

 私は息子の何度かのケンカで、

「自分から手を出すな」
「弱いほうからケンカを売るものだ。おまえが強いと思えば辛抱してやれ」

 と言っておりました。

 私の留守中、5歳も年齢差のある息子同士のケンカは、一目瞭然、弟の傷でバレてしまいます。

 けれど2人はひと言もケンカのきっかけを話してくれず、傷にテープを貼って処理をした兄と仲よくして、私が口を出す隙を与えませんでした。

ケンカの“ひきどき”を教えておくことも大切です。
 犬のケンカは腹をかまれたほうや、「ギャン」と声を出したほうが負けなのです。

 幼児にも「相手の動きが少なくなったら、身をひいてみる」「泣きながら向かってくるときは隙を見ろ」とか、ケンカのコツはお母さんより、お父さんが教えてやってほしいものです。

ふざけ合いやケンカは、幼いときにひきどきをしっかり身につけさせることです。きっかけは多様ですが、ひきどきは勝ち負けで決まります。

 しかし、エネルギーの爆発がどうも多すぎる、時間が経ちすぎると思われるときは、やはり大人の良識ある仲裁は必要です。

 親は興奮をさましてやるための「ゆっくり」「やさしい」言葉をかけてやるだけにとどめ、ケンカの原因を聞いたり、勝ち負けの判定はしないことです。

 もし互いに主張を譲らず、妥協をしないときは、親の判断を押しつけていいと思います。どちらも不満という解決案です。親が手を出さぬと止まらぬ下手なケンカをしたのですから、罰則の意味もあります。

「お菓子」などで、気分転換をさせないことです。