なぜニオイ対策グッズが売れ始めたのか?
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「男性向けニオイケア商品の売上は、今年4月~6月だけ見ても前年比130~140%でした。ニオイケアを謳う商品は年々増えていて、今や男性化粧品の中でも標準的な本数の定番取扱い品目だけで約70商品はありますね」
こう語るのは、ドラッグストアチェーンを運営するココカラファインヘルスケアで、男性用化粧品などのバイヤーを務める商品販促部商品販促チームの小副川雅之さんだ。
すっかり秋めいてきたが、思い起こせば今年の夏は厳しい猛暑だった。そんな気候も影響してか、今年はニオイによるハラスメント、「スメハラ」という単語もよく耳にした。そして、それに呼応するように“ニオイ市場”も空前の拡大基調にある。
この動きは、ドラッグストア以外にも広がっている。約8万点のアイテムを扱う渋谷ロフト。同店では現在、体臭や口臭、フットケアなどの体に関するニオイケア商品だけで約350アイテムを扱う。部屋や洗濯物などのニオイケア商品を合わせれば、その数はさらに膨らむという。
「品揃えの良さも影響しているのか、ロフト渋谷の今年8月の売上を見ると、ボディエチケットという体のニオイ対策のジャンルだけで、前年比約150%という伸びを見せています。口臭・オーラルエチケットでも約120%と大きく伸長していますので、市場は拡大していると言って間違いありません」(ロフト営業企画部・横川鼓弓さん)
密かに急拡大する市場をみて、横川さんは“ある傾向”があると分析する。
「最近のニオイ対策は、“元から断つ”ものが流行っているように思います。例えば、ワキのニオイを取るグッズだと以前は、ニオイをマスキングするような制汗スプレータイプが主流でしたが、最近はミョウバンで汗を抑えたり、菌の繁殖を防ぐものが人気です。石鹸ならば、柿渋や炭など昔ながらの知恵を生かした商品も人気です」
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一方で、部屋や洗濯物などのニオイ対策については、“別の傾向”があると横川さんは指摘する。
「以前であれば日本人は“無臭”にこだわる印象がありましたが、今では香りで洗濯物をマスキングするような柔軟剤も人気です。一方で、部屋のニオイや枕のニオイ対策グッズなどでは、業務用の対策グッズ(の一般家庭用商品)が売れるようになってきています。大手航空会社でも使用されているという消臭スプレー、大手電機メーカーが開発した光触媒でニオイを分解・除菌する商品など、本格的な商品で対策をしようという意識が強まっているようです」