アクションプランを作って実践する
30分後、各店舗の詳細なアクションプランが出来上がった。より詳細に、細かく行動にまで落とし込まれた内容にまとまった。
「みんな、最後に私から一ついいかな。確認だけど、みんなはあるべき姿に到達する、つまり現状とのギャップを埋めるために、このアクションプランを作ったわけだ。ということは、このまま実践すればギャップは埋まるという訳だよな?」
「はい、そうです。というか、そうですよね?」
今枝が自信なさそうに口ごもった。
「理屈ではそうなるはずだよな。では、もしこれでギャップが埋まらなかったとしたら、どうだ? 原因はどこにある? 2つしかないぞ」
「え? 2つですか?」
永松がびっくりしたような顔で聞き返した。
「そう、2つだ。何だと思う? わかるか? ん? 考えなくてもわかるぞ。答えは、このアクションプランどおりやらなかったか、もしくはアクションプランが間違っていたかのどちらかだ。それしかないんだ。
これを数ヵ月繰り返しながらどんどんポイントを押さえたアクションプランを作って実践するという癖をつけなさい。そうすれば必ずあるべき姿に到達するはずだから」
「はい、頑張ります」
「継続こそ力ってやつだ。とにかく地道に取り組みなさい。さ、はるか、今日はどうするんだ?」
「はい、とりあえず今日はこれで終了です。次回は中間での経過報告と教育方針についてといったところです」
「そうか、了解。ではみんな、今後ははるかと一緒に頑張ってな。状況は共有しておくから。この調子で一生懸命やれば、必ずみんなは幸せになれるよ」
「はい、ありがとうございます! うおぉ、何か仕事が楽しくなってきました!」
「大沢君はなかなかいいキャラだな」
「ありがとうございます! 嬉しいっす!」
「中川社長ありがとうございます。本当にお手数をおかけしてすみませんでした。でも、何だかK’sでの修業時代を思い出して楽しかったです。さすがですね」
「いやいや、こちらこそ自社にない勢いを感じて楽しかったよ。若い組織っていうのはいいねえ。私も懐かしかったよ。はるかはどうだった?」
「うん、なんだかやれる気がしてきた。もちろん勉強にもなったし。方法論がわかった感じがする」
「お、頼もしいな。こんな娘だけど宇佐美君、よろしく頼むよ。はるか可愛いだろ?」
「いやいや、はい。もちろんですよ。やめてくださいよ社長。はるかちゃん、照れてるじゃないですか。ホントにこちらこそ頼むね。はるかちゃん」
「もう、やめてよ。こちらこそ本当によろしくお願いしますね、宇佐美社長♪」