不安に思うのには当然、抽象的であれ具体的であれ悩む要素があるはずです。自分が何を価値観として大切にしているのかなど、一度口に出してみるなどして整理する方法はセオリーのようで実はとても重要です。大手企業でも中小企業でも、個人的な面談を実施している企業もあるとよく耳にします。

 また一方で、複数人での話し合いの機会を設けている企業もあります。主たるものは、内定者座談会です。本音を言いやすくする機会を設けて、思っていることを素直に言ってもらうなどの工夫をしています。複数人で開催することのメリットは、入社前に不安に思っていたり悩んでいたりするのは自分だけではないという、気づきを得られる点です。

 誰しもが悩んでいることが分かると、ホッとして、気持ちも楽になります。あるいは全く悩んでいない他者の意見を聞くことによって、新しい視点で物を考えるきっかけにもなりえます。場合によっては、自分の悩みは単純に社会に出ることへの甘えなのではないかと気づく人もいるでしょう。もちろん逆に、全員が入社を躊躇う事態にもなりかねないので、企業側は注意が必要ですが。

内定者が新郎新婦に!
企業がはじめた独創的な内定式

代表者2名が新郎新婦の衣装を着たエスクリの内定式。他の内定者はスーツで参列者席に。お客様の気持ちを知ってもらう第一歩につながっている

 内定者との距離を縮めるにあたり、合宿を開いて親睦を深めるといった企業や、山の頂上で内定式をするという企業も存在します。

 人材広告代理業などを行うインビジョンでは、社員全員がスーツではない状態で登山の道中にはおしゃべりをしながら親睦を深めるなどの工夫をしています。

 さらに都市型ブライダル事業を手がけるエスクリは、内定式において、74名の新入社員のうち代表の男女2名がウエディングの格好で登場するという試みを初めて行ったそうです。誓いの言葉は、神父ではなく役員に述べ、他の社員も列席して、内定者全員でキャンドルサービスをするなど独自の試みを行っています。

 前者の登山では、スーツや内定書の授与などの環境から抜け出て身近に関わろうという姿勢がうかがえますし、後者では実際に自分が関わる業界についての意識付けがされます。お客様側の気持ちを実感してもらうということが今後の働くイメージとして定着するという効果的な取り組みではないでしょうか。