2016年卒学生、いわゆる「16年卒」の内定式が本日(10月1日)行われる。スケジュールの後ろ倒しによる選考の混乱など、今年の就職活動は何かと話題となった。売り手市場といわれたが、学生たちにとって、果たして良い就活だったのだろうか。キャリア支援スクール「我究館」の熊谷館長が解説する。
売り手市場、スケジュールの後ろ倒し、16年卒の就活は、結局、どうだったのか? Photo:milatas-Fotolia.com 拡大画像表示
多くの企業の内定式が行われる10月
我究館館長。横浜国立大学を卒業後、(株)リクルートに入社。2009年、(株)ジャパンビジネスラボに参画。現在までに2500人を超える大学生や社会人のキャリアデザイン、就職や転職、キャリアチェンジのサポートをしてきた。難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援で圧倒的な実績を出している。また、国内外の大学での講演や、執筆活動も積極的に行っている。著書に『絶対内定』シリーズがある。(撮影/宇佐見利明)
10月1日は、各社が内定式を行っている。
私が館長を務めるキャリア支援スクール「我究館」の生徒たちも、進む先の企業の内定式に出席している。
就職活動スケジュールの変更で混乱した新卒採用の現場。ベンチャー企業や外資系企業による早期内定出しや、リクルーターによる青田買い、その結果として起こった大量の内定辞退……。予想を超える内定辞退者の数に、終了した採用活動を急遽再開した大企業も出てきた。しかし、内定式以降の辞退は少ない。採用担当者にとっては、一段落つくのが今日だ。
さて、売り手市場の中でも優秀な学生を採用できた企業がある。こうした企業にはある共通点があった。さっそく、16卒採用を総括してみたい。
優秀な学生が選んだ企業は?
決め手となった3つの選考プロセス
採用環境は変化したが、優秀な学生の人数は変わらない。そのため一部の学生に内定が集中する。我究館の学生も、昨年と比べて学生が受け取る内定の数が2倍に増えた。特に、優秀な学生に内定が集中している。8月1日の選考解禁を皮切りに複数社が同日に内定を出すことが多く、「1社に絞り切れません」と、企業選択の相談を多く受けた。
では、彼らは何を決め手に入社する企業を選んだのか。