映画「スター・ウォーズ」最新作のイベントの一幕。まさかFRBとスターウォーズが“コラボレーション”する日が来るとは…… Photo by Alberto E.Rodriguez/gettyimages

「フォースと共にあらんことを」。これは、映画「スター・ウォーズ」でジェダイの騎士が「幸運を祈る」といったニュアンスでよく使う言葉だ。

「経済的フォースと共にあらんことを」。こちらは米サンフランシスコ連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁が最近行った講演のタイトルだ。公開が近い同映画の新シリーズを彼は楽しみにしているが、そこには不安も表れている。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長の「右腕」と見なされている彼は、FRBは年内に金利引き上げを開始できると強調してきた。ただ、「グローバルな状況は明らかに大きなリスク」とも語った。9月の非農業雇用者数はスローダウンした。人口動態を考慮すれば深刻ではないと彼は考えているようだが、中国経済が米国にブレーキをかけないように、彼を含む多くのFRB幹部が「フォースと共にあらんことを」と願っているだろう。

 その中国経済だが、9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は拡大と縮小の分岐点である50を2カ月連続で下回った。また、詳細は後述するが、いわゆる「李克強指数」を用いて中国のGDPを推計すると、かなりの低成長に陥っているという見解もある。

 しかしながら、対照的に9月の非製造業PMIは53.4で、50を上回り続けている。実際、米アップルやユニクロは株式市場の混乱にもかかわらず、中国の消費は悪化していないと説明している。

 旅行需要も強い。10月1日から国慶節の大型連休が始まったが、国内・海外旅行共に、過去最高を更新しそうだ。