ロンドン、ニューデリーで
反原発スピーチ
広瀬 木内さんは外国も走り回っていますね。イギリスの日本大使館の前でスピーチしたという「東京新聞」の記事を見て、ビックリしました。
木内 なんだか、あれよ、あれよという間に、そういう流れになっちゃったのです。私も逃げるわけにいかないと思ってスピーチしました。
そうしたら、「東京新聞」と「中日新聞」のヨーロッパ総局長がやってきて、記事にしてくれました。
「木内みどり、英国の日本大使館の前で日本政府を批判」って。
あれから私も、覚悟しないとダメだなと思いましたけど(笑)
広瀬 筋金入りだ。そのあとはインドのニューデリー?
木内 ニューデリーで、たまたま2日間、時間が空きました。
私、何もしないのは時間がもったいないから、ニューヨークに住んで原発のことをやっている友達と、ロンドンに住んで原発のことをやっている友達2人に、「ニューデリーで脱原発運動をやっている人を紹介して」とメールをしたら、2時間後に2人とも同じ人物を紹介してくれたのです。会いにいったら、その人は日本から反原発の活動家が会いにくると思ったみたいです。
私が女優だとわかるとびっくりしていました。それで、ニューデリーでも英語でスピーチしちゃって。
自分でも、変わった人生を歩んでいるなあと思います。
広瀬 行動力がありますね。
でも、木内さんだけでなく、いまの日本中の運動を見ていると、リーダーが率いる運動ではなく、どこの土地でも一人ずつが知恵をしぼって、次から次へと勝手に行動を起こして、私も追いつけないほど、集会やデモや、ハンストが行われています。
このような個々の人の、個性的な、自分の年齢と、体験からにじみ出てくる活動力が、まったく衰えないというのは、たいしたものです。
ところで、外国で演説する木内さんは、英語はペラペラですか?
木内 全然なんです(笑)。自分で文章を組み立てて、英語のできる人に直してもらって、原稿を持って読んでいます。
広瀬 女性は度胸があって、ものおじしないからいいです。外国にゆくと、どうも男はプライドが高くて、会話がダメですよ。