さらに、情報セキュリティ強化が叫ばれる時代にあっては、多くの企業では社外にPCやデータを持ち出すことができない。リモートアクセスすることもできず、残業も許されないとなれば、成果を上げるために外で努力し続ける人はほとんどいないだろう。多くの人は「企業が仕事をさせないのだから」と働かなくなってしまう。こんなことでいいのだろうか。このままでは日本企業の国際競争力はどんどん落ちていくばかりだ。

 かつて日本企業は、「普通の人」の仕事へのコミットメントの強さが圧倒的だった。普通の人が、「よりよいサービス、商品を作り出そう!!」と、みんながガムシャラに努力した。その集積こそが、競争力のある高いレベルの商品サービスを作り出したのである。

 今の風潮は、時短、時短、時短。「外の世界を見て気づきを得よ」「オンとオフを切り替えて効率的な仕事を」などの美辞麗句のもと、たいして働かなくてもいい状況が作られている。それによって、「普通の人」の仕事へのエネルギーの投入量が大幅に低下している。さらに平均レベルに合わせた画一的な運用をするせいで、本来、がむしゃらにプロを目指すべき人や、イノベーティブな仕事をすべき人たちも、仕事に対してそれほどコミットできていない。今もすでに不足しているが、このままの状況が続けば、今後ますますイノベーティブな仕事やプロフェッショナルな仕事ができる人材は枯渇していくだろう。

いまこそ「キャリア採用」復活のとき?

 こうなっては、しかたがない。「キャリア採用」を復活させてみてはどうだろうか。キャリア(上級職)とノンキャリア(普通職)を採用段階から完全にわけ、入社後も完全に別枠管理してしまうのである。いざキャリアで入社したなら、極限まで頭を使って、最高峰を目指し、死ぬ気で頑張る。会社の競争力の源泉であるイノベーティブでプロフェッショナルな仕事に従事してもらうわけだ。企業は、「ホワイトカラー・エグゼンプション」にのっとって、最初から1075万円以上の年収を出せばいい。