有給休暇消化の義務化が通常国会で審議される。しかし実は、わが国の祝祭日数は、世界最高水準である。せめて有給休暇消化に関しては、規制で義務化をせずに、社員の裁量の領域として位置づけられないのだろうか。社員への裁量を極大化することが、ビジネス伸展、ひいてはわが国の国力を増強するに違いないと思うからだ。

外国人から見れば
「日本人は休みすぎ」!

「日本はなぜ、これほど休みが多いのか」――。 米国、欧州、アジアに本社を持つ各企業の日本法人の人事責任者時代、私がグローバル本社の人事担当者から、必ず受けた質問である。

 現在、「日本のビジネスパーソンは働きすぎだ」、「有給休暇消化を義務化すべき」といった議論がされている中で、海外から「日本では休暇日数が多い」と言われているとは、読者の方々は意外に思われるかもしれない。

 有給休暇消化の義務化を含む労働関連法規の改正は、1月26日召集の通常国会で審議され、2016年春からの施行が検討される。有給休暇消化の義務化とは、社員の希望をふまえて、有給休暇取得日を、あらかじめ企業が指定し、年間で数日分は有給休暇を取得させるように、企業側に義務付けようとするものだ。

 この議論の発端は、わが国企業の有給休暇消化率が、諸外国に比べて著しく低いことにある(表1)。

有給付与数、有給消化日数ともに、Harris interactiveによる2014年8月から9月の調査による(表2も同じ)
http://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2014/

 確かに日本は、有給休暇消化率50%。欧米諸国に対して大きく水をあけられている。しかし、祝祭日を含めた休暇日数そのものの諸外国比は、どうなのだろうか?