取材した金融関連の会社では、営業職を中心にポテンシャル採用を実施。やる気に加えて、コミュニケーション能力や社会人としての基礎力、自分の価値観をしっかりと持っているかなどの基準から選考しました。すると、

・外食サービス
・ネット広告

 など幅広い業界から採用が行われることになりました。それまでは、銀行、生損保業界といった金融業界での就労経験がないと中途採用はしてこなかったので、大きな転換と言えます。もちろん、ポテンシャル採用された人材は新卒と異なり、社会人としての言葉遣いやマナー、コミュニケーションスキルは備わっています。さらに固有の会社カラーに染まっていない場合が多く、新卒採用と近いイメージで、会社の方向性を理解しながら会社と共に成長し得る可能性があります。

 では、ポテンシャル採用された人材は、実際に職場で活躍できたのでしょうか?

ポテンシャル採用をしたけれど…
1年後には7割が退職へ

「異業種過ぎる企業から来た人材をどのように育成すればいいのか、頭が痛い」

 そう嘆いているのは、不動産業界から転職してきた社員を受け入れた営業部門のマネージャーDさん。意欲的な部下(Sさん)が入社してきてくれたのは嬉しいのですが、

・金融知識を覚えるスピードが低い
・業務報告書を事細かに書くのが苦手

 と金融業界で働くならば押さえておいてほしい業務が苦手。同世代の社員と仕事の質の面で大きな差があり、追いつくには相当大変そう。ところが、追いつくための努力をSさんはしようとしません。

「営業成績が出ればいいのですよね」

 と、苦手分野を克服する気が全くありません。