ショップ店員とうまく付き合うコツ
___先ほどの「肌うつりがよく見えるのはどっちでしたか?」や「細く見えるのはどちらですか?」のように、店員さんを味方につける言葉はありますか?
平山 その2つの質問もそうなのですが、最初に「私の場合は〜」とつけるといいですね。ショップ店員は、何も言われないと、誰にでも似合いやすい服や、お店の売り込みアイテムを提案しがちなんです。でも、「私の場合は~」とつけるだけで、自然と「このお客様だったら〜」と考えてもらえるようになります。
山本 試着したけれど、断りたいときはどう言うといいですか? お客様のショッピングに同行するときは、私が店員さんにズバズバ言えるのでいいのですが、お客様一人でも気まずくなく断ることができるフレーズってありますか?
平山 まず、そもそも、試着して断ることは申し訳ないことでもなんでもないので、心苦しく思わないでくださいね。
断るときは「私にはハードルが高かったです」とか「以前似たような服を買ったんですが、あまり着なくなったことを思い出しました」などと言うのはどうでしょうか。やはり、理由がわかると店員もすっきりしますから、率直に理由を言うほうがその後の関係も続けやすいと思います。
山本 関係といえば、私、自分がアパレルで働く前まで、ショップ店員は毎月固定給料をもらっていると思っていたんです。
平山 私もです(笑)。
___店員さんは売り上げの歩合給がお給料なんですか?
平山 固定給以外に、売った服の売り上げ歩合が入るんです。ブランドによってルールはまちまちですが、基本は担当接客した人の歩合や、ボーナスに反映されます。
だからいっぱい売っている人ほど、お給料もらっているんですよね。これは、業界以外の方は普通知らないことかもしれないです。
山本 だから、私は仲良しの店員さんがお昼休憩でいないときなどは「何時に戻ってきますか?」と聞いて、戻ったころを見計らってもう一度店に行きますね。他の人から買ったら、その人の売り上げにならないと知ってるので。
平山 それをされたら、店員としては泣いちゃうくらい嬉しいです。
一度、お客様が私のいないときに手紙を残していってくれたことがあったんですよ。「平山さん、いなかったけれど、服買って帰ってたくさん着るね」と書いてあって。それを読んだとき、この人には、絶対に似合う物を勧めてあげなきゃって強く思いました。
山本 店員とお客といえども、人間同士ですから、やっぱり相手に好かれるとこちらもよくしてあげたいという気持ちが働きますよね。
平山 セールのDMを持ってきてくださるのもすごく嬉しいです。閉店後の店のライトが消えた中で、一生懸命手書きでメッセージ書いているので。
山本 私もよく書いていましたねー。お客様に似合いそうな物が入荷したら、「○○様に似合いそうな服が入ってきましたよ」とか。
平山 アパレル業界って、本当にアナログなんです。だから、それを読んで来てくださると、喜びひとしおですね。
つづく