試着したら絶対にチェックすべきポイント
___試着したときにチェックすべきポイントはどんなことですか。
山本 その前に、まず「絶対に試着室から出てください」と伝えたい! 私がショッピング同行させていただくお客様でもときどきいるのですが、着替えたはずなのに恥ずかしいのかなかなか出ていらっしゃらない方がいるんです。
平山 そうなんです。試着室から出てくだされば、「もうワンサイズ小さいサイズの方が、もっとキレイに着ていただけます」とか、アドバイスできることがたくさんあるんですよ。せっかくならベストのものを買っていただきたいので、ぜひ一度外に出てきてほしいです。
山本 遠くから見てバランス確認するのも大事ですしね。
平山 確かに、試着室の中で鏡を見るのと、外でちょっと遠くから見るのでは印象も変わります。1人で店にいくときは、後ろ姿もチェックしてもらえますし。
山本 服のサイズはブランドによって違うから、「私は9号」と思っていても、意外とワンサイズ上や下のほうが良かったりするんですよね。私はお客様が試着している間に、その上下のサイズも店員さんにスタンバイしてもらいます。
平山 よくあるのは、「私、白いシャツは似合わないんです」とおっしゃる方がいらっしゃるんですが、そういう方に試着室から出てきていただくと、実はシャツが似合っていないのではなくて、着こなしの問題だったりするんです。ボタンを全部とめてしまって「なんか、制服みたい」とおっしゃったりして。
山本 そうそう! 本でも書きましたが、腕をロールアップしたり、襟を立てたりするだけで、全く印象変わりますよね。
私、服は、着こなすして完成すると思うんです。ただ着て終わりじゃなくて、着てから自分の体になじませるもの。ただ服を着るだけでは、新しい服を似合わせるのが難しいこともあるので、そこは店員さんの力を借りてほしい!
平山 色も、迷っているなら店員に聞いてみるといいと思います。
山本 確かに、客観的に見るとどっちが似合うか、ひと目でわかりますよね。私はお客様にはっきり「こちらの方が似合ってますよ」と伝えますが、店員さんには、お客様から積極的に聞いた方がいいですね。
平山 ただ、「どっちがいいですか?」だと、店員もお客様はどっちがいいと言ってほしいんだろうと迷ってしまうこともあります。おすすめは「肌うつりがよく見えるのはどっちでしたか?」とか「細く見えるのはどっちですか?」などと自分の悩みをストレートに相談することです。その質問であれば、客観的にいいアドバイスがもらえると思いますよ。
山本 それいいですね。今度お客様にも伝えてみます。平山さんの本に、どんどん商品を売ってしまう販売上手な人の話が出ていたじゃないですか。それで思い出したんですが、ショップ店員時代に、ものすごく売り上げをあげている先輩がいたんです。でもその人って、無愛想だったし、声も低かったんですよね(笑)。
でも、よくよく観察して気づいたのは、常に本音で話をしているんです。似合うときは似合う、似合わないときは似合わない、と。
平山 いろんなセミナーや研修をさせていただいていますが、間違いなく、売れている人ほど正直ですし、お客様想いですよ。
山本 そういう店員と巡り会えるといいですよね。
平山 ショップ店員に対して「ノルマがあるから売りつけられる」というイメージを持っているお客様もいるかもしれませんが、最近は業界全体が変わってきていて、お客様の悩みやリクエストに対して、ちゃんとアドバイスできる店員を育てようという教育が進んできています。怖がらずに、ぜひ話しかけてみてほしいですね。