中国アルミが年産55万トンの精錬所の閉鎖を発表し、スイスのグレンコアが43%を保有する精錬会社は電力会社との交渉次第では年産22.4万トンの精錬所を閉鎖するとしていたが、市況の下落に歯止めがかからなかった。その後、11月2日の米国のアルコアの年産50.3万トンの減産発表を受けて、ようやく足元のアルミ相場は、やや反発する動きとなっている。

 しかし、銅、亜鉛など大幅減産が発表された他のベースメタルの例を見ても、減産だけでは市況を反転させる力は十分ではない。各金属の最大消費国である中国の景気減速により、金属需要が伸び悩む中では、市況の上値は重い。

 特に、アルミは、中国での供給過剰が続いており、中国のアルミ製品が海外に輸出され、国際市況の押し下げ要因になっている状態は、引き続き変わらないだろう。

 7~8月にあった、中国経済の大失速が世界全体を巻き込むことへの懸念は一服してきている。しかし、依然として中国景気の減速傾向は続いており、世界経済全体では緩やかな拡大傾向を維持するにしても、資源需要の急速な持ち直しは見込みにくい状況である。

(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)